男子ふたりの母の日記

5才アオと2才テツとの日々など

あんなに大好きだったのに

 

絵本で受精について学んだ長男(5歳2ヶ月)。

あかちゃんはどうやってつくられるの? | アンナ・フィスケ,さわき ちはる | 絵本ナビ:レビュー・通販

 

この絵本には、たくさんの精子たちがそれぞれ頑張って卵子まで泳ぐ様子が可愛く描かれています。

 

アオは、僕が精子だった頃は…と考えてみたのだと思います。たくさんの仲間と一緒にいたように思えたようです。確かに、絵本の中で精子たちが皆頑張って泳いでいるシーンは、一緒に頑張る仲間たちにも見えるかもしれません。絵本を初めて読んだ日からしばらく経ったある日、急にこう言い出しました。

「アオの精子の仲間みんないなくなっちゃった」「アオひとりだけになっちゃって悲しい」「みんなともう会えなくて悲しい」「あんなに大好きだったのに」

悲しい気持ちが込み上げてきて涙が溢れます。

 

あんなに大好きだったのにって…妄想を広げすぎた思い込みだと思うけれど、本当にその頃の記憶が蘇ったの?と信じてしまいそうな悲壮な表情とセリフでした。

 

寝る前のタイミング、いま激しくなるとなかなか寝付けなくて大変なことになります。

どうにか慰めようと焦った私は思わず、「そのときママのところにきた精子はアオひとりかもしれないけど、他の仲間もアオに会いたくてまた遊びたかったと思うよ。だからその子たちはもしかしたら他のママのところに行って生まれて、いま同じ幼稚園に来てお友達になったんじゃない?」なんて口走ってしまいました。

我ながら意味不明です。しかもそれを信じられちゃうとちょっとマズイです。

 

最初は騙されかけたアオ。

「ほんと…?」「じゃあ、アオより後に生まれた〇〇ちゃんと〇〇くんと〇〇くんはあのときの精子の仲間だった子かも!」となり少し悲しみが落ち着いたかに見えたけれどそれは一瞬。

「ちがうよ!精子は別の家族には行かないんだよ!」「やっぱり…みんな…いなくなっちゃったーーーー」

 

私は、「そっか、精子は他の家族には行かないよね。」「パパの精子はママのところにしか来ないもんね、ママ間違えちゃった、ごめんね」

と言いながら安心やらおかしいやらで顔が緩みますが、

 

一度期待した分余計に悲しむアオ。

「あんなに仲良しで大好きだったのにーー」「いっぱい遊びたかったのにーー」「悲しいーー」

 

精子の仲間が幼稚園のお友達になったと誤解したままにならなくて安心した気持ちと、妄想劇が激しくなってなかなか寝れなくなるのが面倒な気持ちと、彼の理解力と想像力と感受性に感心しつつ面白い気持ちでした。

 

ここまで書いて。妄想だろうと思いながらも、もしかして本当に精子だった頃の記憶が蘇ってるのか?それならすごい、そんなことはあり得るのかと「精子だった頃の記憶」で検索してみました。

するとそんな記憶を持つ人たちもいるということが分かり大変驚きました。

アオの話が妄想かリアルかは分からないけれど。

 

今後受精とか精子とか思い出すたびにこの悲劇的な流れになるのかもしれません。そういうことは、以前ならすごく面倒に感じていたことでした。

でも最近こうして文章としてブログに書き始めたおかげで、客観的に面白く愛しく感じられることが増えてきました。嬉しいです。

また次回この絵本を開いたときどんな反応をするのか見守ろうと思います。